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途中下車印(1)

スタンパーはJR化以降の平成に登場した比較的歴史の浅い"ハンコ"ですが、古くから存在する"ハンコ"として王道的な存在なのが途中下車印(略して下車印)です。

山崎駅 途中下車印

途中下車という言葉になじみがない方もいらっしゃるかと思いますが、大雑把な説明として、JRでは100kmを越える距離のきっぷを使って乗る場合、その乗車券の着駅までの経路上の駅で一旦改札を降りることができます。これを途中下車と呼んでおり、その駅まで乗車済ということをきっぷに表すものが途中下車印です。途中下車印は、掲載した画像のようにだ円形をしており、JRのきまりでは、だ円形で横8ミリ、縦5ミリとその様式が明確に定められています。

富山駅 途中下車印

途中下車印がスタンパーに比べて特に収集対象として興味深いのは、そのコンパクトでシンプルな印影から、1枚のきっぷの券面全体に多くの途中下車印を集める楽しさがあるという点です。駅改札印は、そのきっぷを使い始めた最初の駅の改札口で1回押せば、鉄道会社として押す意義は達成されます。仮に、2個目以降の駅改札印を駅員さんの好意によって押してもらえたとしても、本来は押す必要のないものです。また、スタンパーは途中下車印に比べて大きいため、物理的に押せる数も限られてきます。その点途中下車印は、「その駅まで乗車済ということをきっぷに表すもの」なのですから、1駅ごとに途中下車すれば、鉄道会社は各駅で途中下車印を押す必要があり、必然的に1枚のきっぷにたくさんの途中下車印が集まります。

法隆寺駅 途中下車印

鉄道に乗ることを趣味とする鉄道ファンのことを特に「乗り鉄」などと呼ぶことがありますが、最近では、乗り鉄をして、きっぷに途中下車印を中心としたハンコを押してもらう趣味のことを「捺し鉄」などと一部では呼んでいます。「捺し鉄」にとって、途中下車印が最も興味深い収集対象であることなのはさることながら、自分で乗ったきっぷを記念に残して集めることが、きっぷ収集の原点であり、途中下車印はその旅行でその駅に降りたことを、きっぷに記念に残せるという意味でも、鉄道旅行者にとっても広く知られた収集アイテムといえるでしょう。